福津市、古賀市、宗像市の口コミNo.1の
うみがめ鍼灸整骨院です。
腰痛になりやすい理由を説明しているものが多数ありますが、
多くのものが間違っており、誤解を招いているように思います。
今回は腰痛とその原因に対する誤解について解説していきます。
誤解1 筋力低下
筋力の低下で腰痛が起こると言われることが多いですが、
事実が間違って解釈された結果でしょう。
そもそも、データとしては腰痛の人に筋力低下している人が多いだけです。
腰を痛めた当日に筋力を測る余裕のある人はほぼいない
と考えられることからも
筋力低下が認められた腰痛の人は
腰痛がある程度の期間続いている人が計測された結果だと
考える事ができるのではないでしょうか。
それでは
・筋力低下したから腰痛になったのか
・腰痛で体を動かさなかったから筋力が低下したのか
という事はわかりません。
↓筋力と腰痛について詳しくはこちら
この研究では
筋力が強いグループも弱いグループも腰痛を持っており、
腹筋と背筋の筋力バランスも変わりありませんでした。
また、筋力の低下ではなく、
「筋出力の低下」が原因になる事はあるでしょう。
筋出力は自分が実際に出せる力の強さで、
筋出力の低下は、
筋力はあるのに十分に力を発揮できていない状態です。
体が力を発揮する時は発揮した力の分
自分の体に負担がかかります。
そのため、体の防御機能として
「自分の体が耐えられる負担分の力しか出せない」
ということが起こります。
自分の筋力であっても
自分の体が耐えきれないほどの負担がかかれば
体は怪我をしてしまうので当たり前の反応ですね。
体にかかった負担の多くは関節で吸収するので
関節が動きにくくなっていたり、
関節が動かない状態を作ると力が出にくくなります。
100㎏持つ力があっても
80㎏までの負担しか耐えられない体であれば、
80㎏の力しか出ません。
そのため筋出力の低下が起こっている人が
筋トレをして筋肉が増えたとしても
出せる力の強さは変わりません。
※筋トレの為の運動で関節が動きやすくなった分
筋出力が上がる事はある。
体が耐えられる負担は姿勢によっても変わるので
筋出力の低下はその時々の姿勢の影響も受けます。
関節の柔軟性が乏しく、筋出力の低下が起こると
腰痛と筋力低下が起こりやすくなります。
これは筋出力が低下したから腰痛になった
と考えるよりも
負担に耐えられない体になっているから腰痛になった
と考える方が自然でしょう。
誤解2 骨格の歪み
細かい話になりますが、
骨格の歪みで腰痛が起こっているわけではなく、
関節が十分に動かせないことで腰痛が起こります。
骨格の歪み＝腰痛などの痛み
であるのなら
この世に痛みのない人はいなくなります。
理由1 子供は歪みだらけ
一般的に子供は歪みが無いイメージを持っている人が多いと思いますが、
実際は成長期の子供は毎日左右均等に成長しているわけではありません。
そのため、
毎日「足の長さが違う」とか「腕の長さが違う」という事が起こり
子供の体は毎日歪んでいると言えます。
理由2 歪ませても即時に痛みが出ない
・猫背は腰痛の原因になる
・足首の歪みは腰痛の原因になる
など様々な歪みが腰痛の原因と言われていますが、
骨格の歪み＝痛み であるなら
自分で猫背を作った瞬間に腰痛を始めとした
猫背が原因の痛みが出ないとおかしいです。
足首に関して言えば
立った時に足首を歪ませることで
骨にまっすぐ体重がかかるようにしたり
体にかかる負担の分散や吸収を行っています。
骨盤の関節は歩く時
左右の足の足の運びに合わせて歪むことで衝撃を分散し
痛み無く、キレイに歩くことができます。
実は体の歪みは体を衝撃・負担から守るための機能です。
そのため、体が歪んでいる事が悪いのではなく
関節が固くなり、十分に動かせなくなった
＝衝撃や負担を逃がす、吸収する事ができなくなった
という事から体に痛みが出ます。
反対に骨盤が正しい位置にあって歪んでいなくても
関節が固くなり、動かせなくなると
少し動くだけでも痛みが生じます。
誤解3 骨盤の傾き
骨盤の傾きが腰痛の原因と言われることが多いですが、
骨盤の傾きは腰痛に関係ないことが
先ほど張ったリンク先の論文で紹介されています。
また
・腰が丸くなるのは背筋が弱いから
・腰が反るのは腹筋が弱いから
という人がいますが、
筋力測定をすると腰が丸い人と腰が反っている人の
腹筋と背筋の筋力バランスはほぼ変わらないことがわかっています。
筋トレで症状が改善したという人もいますが、
筋肉がついたことによる腰痛の改善では無く、
筋トレという運動によって関節の柔軟性が増し
体が動かしやすくなったことが原因と考えられます。
筋肉を鍛えるというよりは体操としての効果の方が高いでしょう。
誤解4 きれいな姿勢は疲れる
長時間座っていると循環不良によって筋肉が固くなり
体を痛めやすくしますが、
「長時間座っていると疲れる」というのは
きれいに座れていないからです。
「ラクな姿勢は悪い姿勢」と言われることが多いですが、
それは体が鈍感な人の意見です。
客観的に考えて
きれいな姿勢＝体に負担がかからない姿勢＝疲れないラクな姿勢
という事がわかると思います。
「猫背がラク」という人もいますが
・正しい姿勢を知らない
・背骨が固くなって背筋を伸ばせない
などの理由から「猫背がラク」と言っていると思いますが、
「猫背がラク」という人も長時間座っていれば
・腰がキツイ
・肩がキツイ
と言いだすでしょう。
キツイと感じている時点で
それはラクな姿勢ではありません。
感覚的な話なので分かりにくいと思いますが、
きれいな姿勢は「背筋が伸びている」姿勢です。
一般的に理解されている
「腰を反って胸を張る」という姿勢は背筋を伸ばしておらず、
むしろ背筋を縮めています。
この感覚が掴めると良いのですが、
指導を受けて体感しないと
なかなか難しいものがあると思います。
誤解5 ヘルニアだから痛い
ヘルニアだから痛いと思っている人が多いですが、
そうとは言い切れない現状があります。
もちろんヘルニアが原因で痛い人もいると思いますが、
全員ではないと考えた方が良いでしょう。
1.ヘルニアがあっても無症状な人が多い
50歳以上の人の約半数にヘルニアがあると言われるほど
多くの人にヘルニアがあるそうですが、
実際にそんなに多くの人がヘルニアで痛みを感じているでしょうか？
答えはNOです。
健康診断などでヘルニアが見つかったが
自覚症状が無い人は多数存在します。
こういう人が急に腰が痛くなり、
病院に行くとヘルニアと診断されますが、
元々あったヘルニアが悪化したのか
ヘルニアに関係ない痛みなのか
という事は判断ができません。
経過を観察しながらヘルニアなのかがわかるでしょう。
2.ヘルニアの多くは自然消退する
自然消退とは聞きなれないと思いますが、
「何もしなくても勝手に治る」と思って大丈夫です。
数々の文献でヘルニアは炎症が起こった際に
自分の免疫機能がヘルニアを食べて
自然に無くなることがわかっています。
小さくはなっても完全には無くならないパターンもあるようですが、
だいたい6か月程度で無くなるそうです。
6か月以上痛いのであれば
ヘルニア以外の腰痛の可能性も高まるのでは無いでしょうか。
↓こちらも参考に
ここまでで腰痛の原因に関する誤解はひとまず終了です。
長くてわかりにくい部分があると思いますが、
何か一つでも発見があれば良いなと思っています。
腰痛の改善には
やはり運動が効果的だというデータが出ています。
ただし、腰痛の改善には
「どんな運動が効果的か？」運動内容ではなく、
運動を継続している事の方が重要だという事がわかっています。
↓こちらも参考に
自分が無理なくできる範囲で良いので
運動を始めてみてはいかがでしょうか？
追記（2021.9.8）
痛みがあると安静にする人が多いと思いますが、
過度の安静は症状の慢性化を招きます。
適切な安静は非常に難しいですが、症状の改善には重要です。
また、過度に体をかばおうとしなくても
体は自動的に必要な分かばってくれています。
極端にかばおうとすることが体を痛める原因に繋がります。
過度の安静に注意しつつ、
痛みを改善させるための取り組みを行いましょう。
うみがめ鍼灸整骨院
福岡県福津市津屋崎１－１－２３
