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うみがめ鍼灸整骨院です。
面白い論文を発見したのでシェアします。
藤井 朋子, 高野 賢一郎, 乍 智之, 川又 華代, 楠本 真理, 松平 浩(2021)
「労働者のための転倒予防体操の開発およびその検証」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/josh/advpub/0/advpub_JOSH-2021-0009-SHI/_pdf/-char/ja
人口の高齢化に伴い労働者の高齢化が進んでいるが、
仕事中に転倒して怪我をする人が増えている。
年齢が高い人の転倒率が高くなっており、
特に50歳以上の女性に転倒して怪我をする人が多い。
この問題を予防する必要があるが、
転倒の予防については腰痛体操ほど適切な方法がわかっていない。
転倒の予防には何が有効なのか調べてみた。
というような内容です。
転倒のリスクになっているものは
・バランス能力の低下
・歩行機能の低下(つま先が上がっていない、目線が低い※1 ※2)
・運動習慣がない
※1 目線が低いと体が前のめりになるため足が上がりにくくなり躓きやすく、
前のめりであるために躓いたときに体を支えられず転倒しやすくなる
※2転倒歴がある人と転倒歴がない人の比較した際の特徴を調べているので
転倒経験があるから目線が低くなっている可能性もある。
転倒経験があるために目線が低くなり、
更に転倒しやすくなっている可能性も考えられる。
その他の転倒リスク
・スポーツ活動がない
・年齢
・握力
・立位体前屈(体が固い)
などが挙げられる。
国内の製造業2社では
・肩の可動域運動(肩を回すなど)
・四肢のストレッチ(手足のストレッチ)
・片足立ち
・腿(もも)上げ
・つま先立ち
・踵(かかと)立ち
・スロースクワット
などで転倒が減少傾向にあるという報告がある。
この論文で効果があったとされる方法を紹介する
転倒予防体操のメニュー
1.手首足首回し
目的: 準備運動.手足の血流促進.手関節・足関節の可動域向上
方法 :手首と足首を同時に回す
注意点 :回す足を半歩後ろに引く
手と足をリラックスして回す.
2.股関節回し
目的: 股関節の可動域向上
方法 :腰を左右に曲げてから回す.
注意点 :頭部が真っ直ぐになっているか.
身体がねじれていないか.
3.肩甲骨寄せ,4.肩甲骨回し
目的: 肩甲帯の可動域向上
前屈み姿勢の改善
方法 :両手を「前ならえ」の状態から手のひらを上に向け,肩関節を外旋(外側に捻じる)する.次に手を肩につけて,肩関節を後ろに回す.
注意点: 肘が体から離れていないか.
腰が過伸展(反り過ぎ)していないか.
5.手首のストレッチ
目的: 手関節背屈の可動域向上
上腕,前腕の屈筋群(肘、指を曲げる筋肉)のストレッチ
方法 :肘を伸ばした状態で,反対の手を使って手関節を背屈(手を反らす、手の甲側に曲げる、指先を下に向けた方が伸びやすい)
注意点 :しっかり肘と指を伸ばす.
6.転倒予測ステップ
目的: 体重移動および転倒時に手が出るようにする.
方法 :手の平を出しながら,左右斜めの4方向に足を踏み出す.
注意点 :手と足を同時に素早くだす.
出すときに手を開く.
7.美ポジバランス
目的: バランス向上.腓腹筋強化.
方法 :片足立ちから両手を上げる.足を下ろしてから手を後ろで組んで肩甲骨を寄せ,つま先立ちになる.
注意点 :つま先立ちの時に,胸を張る.
つま先立ちの時に,母趾の付け根で床を押す.
8.踏ん張りランジ,9.大きくランジ
目的 :前方荷重と大腿前面,足関節,足趾の筋力向上.腸腰筋(股関節の筋肉),ヒラメ筋(ふくらはぎの奥の筋肉)のストレッチ.
方法: 両手を腰に当て,体を前方に傾けていき,片足を前に踏みだす.後ろ脚の膝を曲げて,大腿前面と下腿後面をストレッチしてから,前方の足を戻す.2回目は歩幅を広くする.
注意点: つま先を正面方向で行う.
前方荷重時に踵を上げない.
前脚の膝がつま先より前に出ない.
10.屈伸とハリ胸ハムストレッチ
目的: 足関節背屈可動域向上.大腿四頭筋強化.ハムストリング(太ももの裏の筋肉)のストレッチ.
方法 :両手を腰に当てて,両膝を曲げる.次に膝を伸ばして,胸を張った状態で上半身を前に倒す.
注意点 :胸を張って行う.膝の屈伸は踵を浮かせずに膝を曲げる.
11.骨太踵落とし
目的: 骨を刺激し,骨密度の向上
方法 :手拍子を打ちながら,つま先立ちから踵を地面に落とす.
注意点 :リズムに合わせて行う.
12.これだけ体操
目的: 腰痛の予防と改善
方法 :足を肩幅に開き,両手を骨盤に当てて,骨盤を前に押す.
注意点 :顎を引く.膝を曲げない.両肘を寄せる.
13.体側ストレッチ
目的: 広背筋のストレッチ
方法 :頭の上で両手を組んで,体幹を左右に曲げる.
注意点 :体をねじらず,腕をよく伸ばす.
14.じっくりスロースクワット
目的: 下肢の筋力強化
方法 :両腕を前に伸ばした状態でゆっくりスクワットを行う.
注意点 :つま先と膝の方向をそろえる.膝がつま先よりも前に出ないようにする.
15.胸を開いて深呼吸
目的: 体操終了前の深呼吸
方法 :1回目は両腕を下に伸ばし,2回目は両腕を上に伸ばして,足を1歩前に出しながら深呼吸する.
注意点 :重心は前の足にかけ,胸郭を開く.
16. 足元ヨシ!
目的 :危険予知活動の足元注意
方法 :手を耳の横から足元を指さし,「足元ヨシ」と呼称する.
注意点 :メリハリをつける.
Title:JOSH-2021-0009-SHI.indd p4 2021/11/16/ 火 14:44:58
4
「労働安全衛生研究」
個人的な県から言えば、転倒の大きな理由は
「片脚でバランスをとれなくなるから」であり、
片足立ちでバランスをとれるようにすると良いでしょう。
バランス感覚は普段意識して使う事が無く、
体が自動的にバランスをとっているような状態です。
人は細かい作業でも慣れてくれば上達しますが、
上達する速度や上達の度合いは
その作業にどれだけ意識を傾けたかという事で変化します。
体は意識的に使う事で上達しますが、
バランス感覚は意識して使っていないので上達しておらず、
学生時代などにスポーツを通して上達していたとしても
スポーツをやめるとバランス感覚を意識しないので
徐々にバランスをとるのが下手になっていきます。
反対に言えば、
バランス感覚は意識的に使う事である程度鍛えることができます。
以前も紹介しましたが
サイクリングの習慣がある高齢者は同年代の人に比べ
バランス感覚と反射神経が衰えていないことがわかっています。
また、
スポーツをしている人の方が転びにくいというのも
自分の身の周りの人で感じているのではないでしょうか。
バランス感覚も鍛えることができるので
自分でできる事から始めてみましょう。
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